充電式耳かけ型補聴器シグニアAX試聴レビュー

シグニア充電式補聴器AX

補聴器選びの参考に
声が聞こえやすい、操作簡単あつかいやすい、
シグニア社の充電式RIC(耳かけ)型補聴器【Pure Charge&Go AX】試聴レビュー

新しく補聴器について調べてみようと思ってもわからないことだらけ、お店で相談するのが1番だと思いつつ出向くのも手間だしそもそもどのように相談したものか、なんて感じることはないでしょうか。

私はカタログを見ては何が自分に必要な機能かも選べず、結局考えるのをやめてしまったりなんてこともあります。

キャッチコピーや最新機能の説明を見ても聞いてもピンとこない、そんなあなたに。

この記事では実際に試聴した1ユーザーの視点から感じる、良し悪しも含めた実体験を紹介します。

・シグニアの補聴器に興味ある
・充電式の補聴器ってどうなの
・最新機種の体験談を知りたい

これらが気になるならば、きっとあなたの補聴器選びの参考になることでしょう。

この記事でわかること

シグニア充電式RIC型補聴器【Pure Charge&Go AX】試聴レビュー

  • 仕様と外観
  • 仕様の体感
  • 機能の体験
  • 気になる点
  • 良かった点

私の補聴器歴は初代にリオネット社、2代目以降はワイデックス社製の補聴器を、耳あな型や耳かけ型とを乗り継いできました。

他社製の補聴器を試してみたい。

いつもお世話になっている認定補聴器専門店ブルームさんに相談したところ今回の機種を2週間試聴する機会をいただきました。

比較対象となる現在の使用補聴器については別記事で紹介していますので本記事が気に入りましたらこちらもご参考までに。

両耳の耳かけ型補聴器補聴器選びの参考に【WIDEX(ワイデックス)E2-F2レビュー】

仕様と外観

カタログ上の説明

特徴

まずはカタログに書かれている仕様をずらっと列挙。

【24チャンネル・Bluetooth接続・突発音抑制・風雑音抑制・★ダブルプロセッサー・★ライブサウンド・★Xセンサー・OVP2.0・ビーム指向性・☆シグニアアプリ】

上位のクラスほど搭載される種類が増え今回の試聴器は中間のスタンダードクラス。

ずらっと書いてみましたが、率直にいって全てにおいて体感できるというものではありませんでした。

それだけ自然な聞こえ味、と言ってもよいのかもしれません。

星マークにしたものは特徴的な部分でもあり、後ほど細かくレビューしていきますね。

充電容量

バッテリー持続時間は
・4時間フル充電で28時間
・30分充電で6時間
・充電ケースは4回分フル充電可


充電式なだけにバッテリー持ちについては特に気になるところではないでしょうか。

こちらも後の項目で実際の電池持ちを検証した結果をご紹介します。

価格

スタンダードクラスでは
・両耳¥564,000
・充電ケース¥44,000

補聴器の値段が高いのはよく知られていること。

私のような高度感音性難聴者が装用する補聴器としては妥当な価格帯であることはお伝えしておきます。

とはいえ高値、選ぶとなったら慎重にもなりますよね。

実際に手元に置いた時、どんな感じなのかな?という視点で次に外観を見ていきましょう。

外観

本体

補聴器本体カラーは色々、今回のブラックカラーはツヤのある黒1色。
光沢感とまではいかないので指紋の跡が残るようなこともありません。

年代問わず身につけやすいカラーリングです。

側面や裏面に刻印された文字は白色ですが装用すると見えない位置。
底面にある丸い金色の部分は充電器にセットするときの磁石のコネクタです。

手触りはつるっとしていて操作ボタン以外に凹凸もなく、本体小さいですがボタンは押しやすいです。

充電ケース

今回セットで借りたものは充電ケースとアダプター、ケーブルの1式。

ケーブルの両端はアダプター(コンセント)側がUSB-A、充電ケース側はUSB-Cです。長さは1mほど。

借り物なのでケース正面にブルームさんのシールが貼ってますが、ケーブルまで白で統一されたシンプルなデザイン。

充電ケースの大きさはにぎりこぶしサイズ。
本体と同じくつるっとした手触り丸まった形状で持ち運びしやすいですね。

仕様の体感

カタログにも大きく記載されている特徴3つ。

①ダブルプロセッサー
②ライブサウンド
③Xセンサー

実際のところ、どんな風に体感できるの?という点で感じたことを。

①ダブルプロセッサー:世界初、2つの頭脳で言葉と環境音を別々に処理

1つのプロセッサーでは言葉と環境音の区別に限界があった。
2つのプロセッサーが言葉と環境音を別々に処理。
賢さ2倍でよりくっきり、すっきり聞こえる。
シグニア補聴器総合カタログ(2022年6月版)より抜粋

環境音スッキリの印象を強く受けました。

騒音抑制がとても良く効いて特に風切り音が静かになり、車の走行音などもうるさく感じることがなくなります。

言葉側クッキリの効果もあってなのか、雑音の多い屋外でも声が聞きやすかったです。

②ライブサウンド

まるで生音のような、人間の耳に近い明瞭で自然な聞こえをあなたに。
シグニア補聴器総合カタログ(2022年6月版)より抜粋

シグニア音声技術の集大成と銘打ったこの聴覚体験については特に「ハウリング抑制」「反響抑制」を強く実感。

①の効果と重なりますが雑音が聞こえにくくなることで声が聞こえやすくなる効果を体感します。

そのほかの特徴としては方向感がわかりやすくなったり、コンサートなどで原音を忠実に再現したりといったものがあるようですがこれらは実感するには至りませんでした。

私自身が生来の難聴で生音というものを知らないのが要因ですかね。

③Xセンサー搭載。どこで何をしていても最適な音をあなたに

100シーン自動対応のXセンサー搭載。
どこにいても、何をしていても最適な音をあなたに。
シグニア補聴器総合カタログ(2022年6月版)より抜粋

100シーン自動対応で最適な音に、という触れ込み。

①②と同じく騒音のある環境に出ると風、車、工事の音などがスッと抑制されたのが印象的。

複数人の会話をクリアに捉える、という機能性もあるようですがこちらは体感できず。

目の前の1人への聞きとりやすさが1番感じられました。


ここまで性能・聞こえ方に関係する体感。次からは実際に使ってみての使用感、体験をシェアします。

機能の体験

操作性

シグニアAX背面ボタン

操作感

両耳に装用した場合の操作方法です。

補聴器本体の下半分の位置ににボタンが縦に並んで2こ付いています。

写真は黒1色で見えづらいですが手探りで操作できます。カチッと押せる感触。

押し心地は固くはないけれど、2本の指で補聴器をつまむように押す感じ。

左側ボタンで音量調整

左側の上ボタンは音量上げ、下ボタンが音量下げ、と直感的。

音量を上げ下げすると、音量最大・中間・最小のときそれぞれ高音・中音・低音の「ポン」という音で知らせてくれます。

右側ボタンで音量調整

あらかじめお店で設定したプログラムを右側のボタンで切り替えできます。

このときの音も「ポン」という音の高低で知らせてくれます。が、私にはちょっと聞き分けが難しい音色でした。

電源オン・オフ

充電器から取り出せば自動で電源オンです。

電源オフも充電器にセットするだけ。簡単。


補聴器本体、両耳それぞれの下ボタンを長押しすると個別にオンオフもできます。

電源のオンオフはビープ音ではなくメロディで、いかにも電源入ります!切れます…って感じがします。

充電の仕方

ランプ点滅が充電開始の合図

充電ケースに差し込む感じでセットします。

補聴器本体のお尻に磁石がついているからカチッと入り、接続されたことがわかりやすい。

接続されたら緑色のランプが点滅。ここから状況次第で光り方が異なります。

・充電ケースを電源に繋いでいない場合
蓋を閉めると消灯しますが充電し続けています。

・充電ケースを電源に繋いでいる場合
蓋を閉めても点滅しっぱなし、ランプがつきっぱなしになったら充電完了の合図。

充電できないときは…

充電ケースは4回フル充電できるだけの容量がありますが、残量がわかりにくいのでコンセントつなぎっぱなしが安定。

注意点がひとつ。
充電ケース本体の正面下部にあるボタンを単押しすると残量が少ないとき点滅表示で判別できるのですが、長押しするとケース自体の電源がオフになります。
この状態だと補聴器をケースに入れても充電してくれず自動で電源オフにもなりません。
補聴器を外した当人に聞こえなくなりますが、ケース内でハウリングも。

このオンオフ機能はなくてもいいかな。
ボタン部分はフラットなので意識的に長押しし続けないと反応しないので誤操作の心配はありませんが、ケースに入れて間違いなく充電が始まったかを知るためにも緑色ランプ点滅は確認する必要ありです。

バッテリー持ち

充電式補聴器の気になるところ、バッテリー持ちについて。

基本的に1日中利用したら毎晩充電する、という使い方になります。

具体的に、ストップウォッチを使って色んな使い方でバッテリー切れまでの時間を計測しました。

ストリーミングし続けて16時間

1日中、スマホにBluetooth接続して音楽再生し続けるようなストリーミングしっぱなしの使い方をしました。

15時間経過でバッテリー低下アラームの後、1時間後にぷっつりと電源切れ。

こんなヘビーな使い方しても16時間持ったのは驚きでした

例えばテレワークで常時音声通話してても1日持つのではないでしょうか。

普段使いで連続23時間

普段使いを21時間半(うち1時間ストリーミング使用)経過したところでバッテリー低下アラーム。

ここから粘って最終的にバッテリー切れまでに23時間持ちました。

1日の利用が10時間以内ならば2日間は持つ計算です。

ゼロから30分チャージで7時間

バッテリーゼロの状態から30分だけの充電で40%までチャージされます。

このとき、カタログ上は30分充電で6時間分とあるところ、実際には5時間半でバッテリー低下アラームが鳴りました。

そしてバッテリー切れまでは、やはりもう少し持って7時間まで持ってくれました


まとめると1日の利用には充分。仮にうっかり充電忘れて朝を迎えても、30分充電で半日分は確保できるのは助かりますね。

バッテリー残量はスマホと接続することで10%刻みで確認できるようになります。
その他スマホ連携するとできることを次にご紹介します。とても便利になりますよ。

スマホ連携

iPhoneを使用する場合、設定→アクセシビリティ→ヒアリングデバイスと進めていけば簡単にペアリングできます。

スマホと接続した際の音質は音の一つ一つが鮮明にクッキリとした聞こえ。
私の比較対象になるワイデックス補聴器では、音楽を聴くと滑らかで綺麗に聞こえる感じ。

これこそ個人の感覚、感想の一つと見てもらえれば。

画像はシグニアアプリ上の画面の一部です。
わかりやすく音量やバランスを直感的に操作できます。

気になる点

お知らせ音の聞こえやすさ

ずっと同じメーカーの補聴器を使っていて疑問にも思わなかったことの一つ。お知らせ音について。

ワイデックスは音声で話しかけてきます。
「電池低下」と言ったり、プログラムの切り替えの際には設定した名称でアナウンスが流れます。

この点、今回試聴したらシグニアAXはメロディのほか、プログラム切り替えや現在音量などのお知らせ音がビープ音なのですが、音の高低が感じとれず、ん?どっち?となることがありました。

これも好みでしょう。いちいちアナウンスしなくてもわかるよ、という場合にはシンプルな音で利点とも

アプリ使用時にスマホ側の音量が一定量必要

シグニアアプリ内で操作しようとすると画像のような「スマホ側のボリュームが小さすぎる・大きすぎる」とメッセージが出てくるのですが、これが結構わずらわしい。

アプリ上で操作するにはスマホ本体の音量が中程度、50〜70%ほどであることが必要です。

とはいえ、音量調整などはアプリを使わずともできます。

右画像はスマホのアクセシビリティ上の画面。
簡単な操作はここから、もしくは補聴器本体のボタンで操作できるのでアプリを使わないことによる不便さは感じませんでした。

聞こえについて

AXシリーズの特徴的な要素によって主に雑音を抑制してくれるのはとても快適。

逆に、ノイズ・異音を感じとりたい場面や職業柄必要な場合、そんなニーズには少し適さないかもと感じました。

実際私はその視点でもって今使っているワイデックスの方が自分には合っているとの考えを新たにしました。

使い続けているからこその慣れが大きいのでしょうけれども、今の補聴器が合っているのか、違いを知ることも良い経験になりますよ。

それでは実際使っていてよかった点について、次にまとめます。

良かった点

聞こえについて

気になる点と同じこと言ってますが。

騒音を抑制するのでとても快適、疲労度が軽減されるのを感じます。

食器の音のガチャガチャやドアのバタンといった雑音が抑えられて、日々の暮らしを穏やかにしてくれます。

屋外では特に、風切り音が静かになったのが印象的でした。

迷わない使いやすい

音量の上げ下げを耳元で直感的に操作できること。

充電が磁石でカチッと止まり扱いやすいこと。

充電と電源オンオフがセットで操作もいらないこと。

こういった何げない部分をストレスなく自然にできるのは、常に身につけるものに対してとても大きな要素だといえるでしょう。

充電ケースとセットなら充分な電池持ち

電源がなくとも充電ケースを持ち運べば、使い方次第では1週間近くのバッテリー持ちも実現可能

充電ケースはかさばらない形で持ち歩くことも苦にならないでしょう。

旅行にも、わざわざ充電台まで準備しなくても、スマホ充電用の汎用的なUSBケーブルが流用できればケースの充電も安心。

まとめ

シグニアAX充電ケース類

試聴体験を終えて

操作や充電の仕方にクセがなく、扱いやすさと聞こえやすさ、雑音の抑制具合もあって暮らしやすい補聴器、と感じられる体験でした。
(アプリの仕様はちょっと残念でしたけどね)

結果的に、私にとっては聞こえる音の好み、雑音を抑えたいよりも広い範囲で捉えたいとの考えもあり、ワイデックスの方が向いてるな、と思うことができたのも有意義な試聴になりました。

おわりに

補聴器はメーカーごとに聞こえの特徴が異なるといわれています。

ただでさえ高く、また使い始めれば5年以上は使い続けることになる補聴器、色々なメーカーを聴き比べるのは難しいことだと思われますか?

実はそんな大変なことでもなく、冒頭でお話ししたとおり、補聴器店で他社製の聞こえを試してみたい、と相談したその場で貸し出しをしてもらえたのが今回の試聴体験となります。

今の聞こえに不満がなくとも、試してみると、今の補聴器の良さを再発見できるかもしれませんよ。

もしも不安があるならなおさら、まずは補聴器のクリーニングついでにお店に顔を出してはいかがでしょうか。

きっと売り出し中の最新補聴器ポスターが目につくことでしょう。

これどうなの?の一言で新しい体験が得られるかも。

この記事を見てなんとなく知って、ものは試し、と思えるきっかけになれたなら幸いです。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA