充電式耳かけ型補聴器ワイデックスモーメント[mRIC R D(MRR2D)]レビュー

ワイデックスモーメント充電式補聴器mRIC R D(MRR2D)

補聴器に関心があるけれど、実際に使った人の感想を聞いてみたいと考えるあなたへ、

この記事では充電式耳かけ型補聴器を試聴した体験を紹介します。

カタログを見るだけではわからない、聞こえ方や充電の仕方、バッテリー持ちなど日常使いで気になる点をまとめました

補聴器選びの参考にしてみてください。

この記事でわかること
  • 基本情報(外観・付属品・機能)
  • シリーズ特徴の体感
  • 取り扱い(操作・充電)
  • バッテリー持ち時間検証
  • スマホ連携・アプリ機能
  • 注意点

比較対象となる普段の使用機器は同じくワイデックスの電池式補聴器です。
下記の記事で紹介していますのでご参考までに。

両耳の耳かけ型補聴器補聴器選びの参考に【WIDEX(ワイデックス)E2-F2レビュー】

基本情報・機能

外観

充電式で電池カバーの開閉部もなく、つるっとした丸みを帯びたフォルム。

耳にかけていて違和感を覚えることはありません。

補聴器本体で操作できるボタンはひとつだけ、突起もこれだけなので操作に迷うこともありません

赤と青のシールはお店側で貼ったもの。借り物なのでそのまま。

付属品

ワイデックスモーメント充電器WPT1

充電器はサイズも小ぶりで机の上に置きっぱなしでも圧迫感は一切感じさせません。

ケーブルの差し込み口は裏側下の方に。

今回貸し出しいただいた充電器は充電機能だけの型式「WPT」ですが
充電・乾燥・除菌まで1台で完結する「WPC」もあります。ひとまわり大きいくらいでこちらの方が人気

付属のケーブルは1.5mほどで充分な長さがあります。

両端のコネクタ形状はアダプタ(コンセント)側がよくある長方形のUSB-A、充電器側が台形のマイクロUSB端子です。
独自規格ではないので汎用品で代用できますね。

充電器自体70gと軽いですが底面に滑り止めのゴム材があり安定して自立します。

触れた程度、ふとした振動程度では全く倒れません

テーブルへのちょっとした振動で倒れ、充電器から補聴器が外れて充電ミスなんてことは中々起こらないでしょう。

基本情報

「つけていることを忘れるくらい自然で聞きやすい。」

カタログに書かれているキャッチコピー。

これは確かに感じられました。

むしろ耳にかかる部分に重さを感じないので最初はちゃんと装着できているのか不安を覚えるほど。

本体の重さではなくワイヤーの保持力で耳にかかっていますね。

聞こえについては私が現在使用している機種との比較で。

イヴォークシリーズよりも新しいモーメントシリーズだという先入観があるのかないのか、より自然な聞こえ味。

具体的には、音を感知できる範囲が広がった、みたいな感じです。

今回試聴するにあたり、補聴器店にて現在使用中の設定を移して少し調整しただけで使い始め、そのまま試聴期間ずっと仕事中にも違和感なく使い続けられました

基本機能

補聴器本体にあるボタンはひとつだけ。

聞こえ方のプログラムが複数設定されていれば押すたびに切り替わります。長押しなら電源の入り切り。シンプル。

充電器から取り出すだけで電源ON、充電器に入れれば電源OFFとなるのでボタン操作も必須ではありません。簡単。

切り替えできる聞こえ方のプログラムはお店で設定してもらう他、スマホとペアリング(接続)すれば専用アプリ上で自作することもできます。

スマホと接続して音楽を聴いたり、電話を直接補聴器へ届けられる機能は大変重宝します
QOL上がりますよ。

モーメントシリーズ特徴の体感

カタログなどでワイデックスモーメントシリーズ共通の特徴として紹介されているものについて、率直に感じたことを。

AI機能

モーメントアプリサウンドセンス画面

おすすめされる聞こえ方を選んでいくだけで自分好みの聞こえ方プログラムを作れます

調整した内容はAIが学習して環境に合わせて自動で調整してくれたりも。

後述の自動環境適応機能もあり体感できる場面も多々ありますね。

反面、人によっては騒音・異音含めて常に同じように聞き取りしたいと考える場合には無用の機能と捉えられるかも知れません。

ピュアサウンド

原音と補聴器の音が混じって違和感を覚えるところを補聴器音の遅れを限りなくゼロにして自然に聞こえるようにする技術。

私の場合は原音がほとんど感じ取れない高度難聴なので実感は得られず。

難聴の程度が軽い人ほど実感できる機能です。

トゥルーアコースティック

個々の使用状況に合わせた調整とのこと。こちらについては初めて着用した時に感じた部分でしょうか。

シリーズ違いの機種を使用中だったのもあり設定を移して少し調整しただけで違和感なく使い続けられました。

この機能のおかげなのか調整してくださった方の手腕によるものなのかは正直よくわかりませんでしたが、使い続けることが大切な補聴器装用なので、個々に合わせて改善してくれるのは大変ありがたいですね

自動環境適応

こちらもAI機能のひとつ。周囲の環境を常に分析していて自動でその場にあった音質へ切り替えてくれます。

例えばトイレでその効果を強く実感しました。え、トイレ?と思いますか?

閉鎖された空間に入ると静かになりますが逆に換気扇の音が耳につくような場面、これが扉を閉めると急激に抑制されて換気扇の音まで静かになることを1日に何度も体感しました。

そのほかには屋内外に出入りしたときの騒音の変化をマイルドにしてくれる感じです。

これらの機能は全て補聴器自体に備わったもので意識することもほとんどなく聞こえの助けになってくれていますね。

次以降の項目では実際の取り扱いについてご紹介していきます。

取り扱い

操作

電池式と充電式補聴器比較

写真は私が常用している電池式(左)との比較。

小さなカバーを開け閉めして小さな電池を交換する必要がないのは充電式の大きなメリットですね。

充電器から取り出すだけで電源ON。充電器に入れれば電源OFF。

補聴器の着脱と充電器へのセットが常に一緒なら操作は何もありません。

補聴器本体にあるボタンは1個だけ。

あらかじめプログラムが設定されていれば押すたびに切り替え。長押しすれば電源の入り切り。

ただしボタンがひとつだけなのもあってボリュームの上げ下げといった音量調整は補聴器本体だけではできません。

あらかじめプログラムを①通常②音大きめ③音小さめ、といった具合に設定しておいて必要に応じて切り替える、という使い方をします。

スマホと接続しておけばスマホ上でボリュームや音の高低調節の他、専用アプリをダウンロードすれば更に細かく、イコライザー調節やAI機能を活用したプログラム作成もできますよ。

充電

充電器WPT1

充電器のスリットに補聴器本体を差し入れるだけ。充電器はコンセントにつなげてあること。

磁石はないので、カチッと入る感触がなく置くだけの感じになりますが、本体の重みで自然に入り込むのでお手軽です

充電器が補聴器を認識できたら短時間の黄色ランプ点灯、その後に充電中を示す緑色ランプ点滅に変わります。

左右違っても充電できますが前後逆だとスリット奥まで入らず認識できません。

緑色ランプが点滅から点灯に変われば充電完了。

4時間で満充電となるので就寝前に充電開始すれば翌朝にはフルチャージです。

ちなみに、ある程度チャージされるとパッパっとした緑色点滅から緩やかな明滅となります。

この状態になれば5時間ほど使用できる程度には充電されているのですぐに使いたい!という状況ならば点滅→明滅をサインにしてもよいですね。

充電器の置き場所が固定化されている限り、補聴器の置き場所も決まった位置になるのでどこに置いたかわからなくなってしまうことも防止できることでしょう。

ランプの色合いはこんな感じ↓暗いところで右側だけ充電中。眩しいと感じることはありませんが、明るい部屋ではランプが見えにくいかも。

WPT1充電ランプ表示

バッテリー持ち

カタログスペックでは4時間満充電で20時間のバッテリー持ちとのこと。

ストップウォッチ使って実測しました。

4時間充電で約20時間

ストリーミング未利用だと24時間、ストリーミングフル稼働でも16時間バッテリー持続しました

1日の使用には全く問題ありませんね。カタログスペックに偽りなし、素晴らしいです。スマホのカタログも見習ってほしい。

30分充電で約5時間

バッテリーゼロから充電開始して、充電器の表示が点滅から明滅に変わる30分充電だと20%チャージ。

20%だと予想の通り、5時間でバッテリー切れでした。

なお、電池低下のアナウンスが10%を切ると繰り返し流れ始めますが残10%からでも2時間持ちます。

スマホと接続していればスマホ上、アプリ内などでバッテリー残量がわかりますよ。

スマホ接続

アプリ連携

「AI機能」でご紹介した場面に応じて聞こえやすくする簡単設定などができます。

「補聴器」を探す、の機能では遠方にあっても半径50mくらいまでの距離までは特定でき、近距離では写真のようにこの部屋のどこか、くらいまでは探せます。

「マイガイド」がアプリ内に用意されているので充電の仕方やメンテナンスなど日々の使い方含め、すぐに理解して操作することができますよ。

スマホ連携

ヒアリングデバイスショートカット画面

スマホと接続して音楽を聴いたりボリューム調節などはアプリを使わなくてもできます。

iPhoneの例ではアクセシビリティ→ヒアリングデバイスで上の写真のようにアプリを起動しなくても音量と音の高低をスライダーで調節可能

スマホなしでも

お店でプログラムをあらかじめ設定しておいてもらえば、補聴器本体ボタンで聞こえ方の切り替えができるので、スマホと接続しなくても補聴器の機能活用できますよ

日常の注意点

充電式ゆえに言わずもがな、バッテリー残量が無くなれば充電する他ありません。

就寝前の充電を忘れた翌朝なんてシチュエーションはおそろしくもあり、日常的に起こりうることでしょう

30分だけ充電したパターンのバッテリー持ち検証も行いましたが、5時間ほどで無くなります。

学生や社会人の場合、例えばお昼休み中に充電できるなどの環境であれば、朝出かける前にちょっとだけ、お昼に継ぎ足し充電で何とか1日持たせることも可能でしょう。

ただし充電器の携帯も必要です

これと同じことが言えるのが、出張や旅行などで日帰りでない時の荷物には必ず・絶対に充電器を忘れてはいけません

充電がお手軽だからこそ正しく充電できているかはしっかり確認を。緑色のランプが点滅していればOK。明るい部屋だとランプを見逃すかもしれないのでこの点は注意。

将来の注意点

経験ありませんか?2年ほど使い続けたスマホのバッテリー持ちが短くなったなと思うこと。

充電池は100%満充電を500回繰り返すとバッテリー持ちが80%に低下します

1日中使って充電することを繰り返せば2年も経てば電池容量が2割低下することを気にかけておかなければなりません。

例えば今、1日20時間使えていて充分だと思っていても2年後には16時間しか持たない、ということが考えられます。

充電池の交換はできますが工場預かり、費用がかかります。

空気電池を買い続ける電池式補聴器よりもコスパが悪いです。

その辺りの詳しい検討は別記事で紹介していますので気になる方は是非参考にしてみてください。

電池式補聴器充電式補聴器ではなく電池式補聴器をおすすめする理由5選

使用感

充電式ならではの注意すべき点はありますがわずらわしい小さな電池交換作業が不要な点は大きなメリットです。

使い方で困る部分はなく、アプリが使えれば動画によるわかりやすい操作ガイドも完備。

また、別にスマホと連携させずとも機能が劣るわけでもなし、操作不要で楽に使えます。

充電は手間がかからずアプリの内容も充実していて簡単に操作できる、全体的にとても扱いやすい補聴器です

まとめ

カタログだけではわからない、日常使いで感じること、気になる点をまとめました。

補聴器に関心がありつつも調べてもよくわからないし、という場合にはとりあえずカタログを眺めて、なんとなく気になった機種をピックアップしてみるところから始めてはいかがでしょうか。

そこから補聴器店にて貸し出しの相談へと進み実際に触れてみるとよいでしょう。無料で試聴できますよ。

この記事が補聴器選びの参考の一つになれば幸いです。


※本記事で取り上げているアプリ上の画面は実際の利用中画面のスクショです。
下記参考リンクから無料ダウンロードできます。

補聴器を接続しなくてもアプリ単体の「デモモード」で取り扱い動画ガイドなどのアプリ体験が可能なので興味が湧きましたら一度お試しあれ。

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