補聴器を購入しようと検討中の方にとって、充電式にするか電池式にするかは迷い悩む選択肢のひとつではないでしょうか。
私が現在使用する補聴器を購入した2018年にも充電式の選択肢がありましたがいくつかの理由により積極的に電池式を選びました。
2018年当時に考えていたこと、それは今も変わらずにいます。
30年以上に渡って電池式補聴器を使い続け、不便なことを経験し尽くした私がなぜ、今なお充電式ではなく電池式をおすすめするのか。
この記事では電池式をおすすめする理由を5つに絞ってご紹介します。
電池式のメリットを知ることができると同時に、メリットが少ないと感じれば充電式を積極的に選ぶ判断基準にもなることでしょう。
あなたの補聴器選びの材料のひとつとなれば幸いです。
私が2018年より使用している補聴器についてはこちらの記事にて詳しく紹介しています。ご参考までに。
- 電池管理のしやすさ
- 連続使用時間の長さ
- 電池調達の幅広さ
- コストパフォーマンス
- 精神論:安心感
結論
- 電池交換が難なくできるなら利便性・コスパ含めて電池式がおすすめ
- 電池交換にわずらわしさを感じる・困難な場合には充電式がおすすめ
何を置いても充電式と電池式の違いは「電池」の扱いの違いに他なりません。
特に電池交換作業が負担になるかならないか、この1点のみで充電式を採用する理由にもなりえます。
以降5つの理由をもとに電池式を選ぶか、はたまた操作性を重視して充電式を選ぶといった判断材料になればと思います。
①電池管理のしやすさ
スマートフォンやワイヤレスイヤフォンなどの充電機器を利用すれば誰しもが経験したことがあるでしょう。
うっかり充電し損ねて、朝になって充電残量が減っていて「あっ!」と思うことが。
電池管理こそ充電式の大きな利点と思われるでしょうけども充電しなければ使えないことがネックにもなりうるのです。
充電式補聴器は満充電で1日分の電池容量です。30分充電で6時間持つとする急速充電対応機種もありますが1日使用には心もとない。
隙間時間に充電できるスマホなどとは違って、補聴器は1日中装用し続けるもの。継ぎ足し充電という選択肢がありません。
充電器を携行してお昼休みなどに補聴器と一緒の充電タイムが取れたりしたら嬉しいですけどね。
電池式なら言うまでもなく電池交換しながらの運用となり、電池さえあれば交換して即座に継続使用可能です。
電池はいつもカバンに忍ばせておきましょう。手元になくとも電池低下アラームが鳴ってからも5時間ほど持ちます、お近くの家電量販店や一部コンビニ、100均などでも売っているところがありますよ。
②電力調達のしやすさ
そもそも手元の電池在庫を切らしてしまうことも考えてみましょう。
ネット通販で翌日には手に入れる手段もある他、補聴器が電池低下アラームを鳴らしてからも電池切れまでの数時間の間にお近くで電池を購入することができれば不足ないでしょう。
ご自宅の環境であれば充電式でも問題ありませんね。ただし充電中はもちろん使用できませんし不意の停電や災害時には電池ストックに勝る予備電力はなし。
なお、補聴器用空気電池の使用期限は製造から2年〜です。10パックあれば半年分のストックになります。
電池が手元になくとも出先での購入する当てがあることは前項でもお伝えした通り、家電量販店・補聴器販売店や一部のコンビニなどで。
予備電池を常に持ち運ぶことに関してはどうでしょうか。
私が使用している空気電池PR41だと1個の重さ0.5g、6個入り1パックでパッケージ自体の重さを加味しても10g程度。パッケージ全体のサイズも5cm四方に収まり全く荷物を圧迫せず気にならないどころか困ったことにカバンの奥底から使用期限が切れた電池を発見してしまうことすらあるくらい存在感がなくなります。
決まった箇所に保管することを推奨いたします。自戒。
旅行時など充電式補聴器用に充電器や電源ケーブル1式を携行しなければならないことに対しては比べるまでもなく、電池1パックあれば2〜3週間分になります。荷物が増えないことも電池式のメリットと言えるでしょう。
③連続使用時間の長さ
私の電池式補聴器は連続使用80〜90時間ほど、日数で言えば5〜6日間になります。
充電式補聴器のスペックは20時間前後の機種が多いですね。
1日に使用できる時間としては充分なように見えますが、リチウム充電池は経年使用により容量が少なくなることはスマホなどでも経験があるかと思います。
充電池を2年程度使用して1割、2割電池寿命が低下すれば、そしてBluetooth接続によるストリーミング再生を多用するなどの電池を消耗する使い方をすれば1日中の使用にもやや制限がかかってくることでしょう。
充電式のネックは1日しか持たないこと。その点電池式なら1週間近く持つので朝ごとに電池残量を気にするようなこともありません。
ちなみに、補聴器用空気電池をより長持ちさせるポイント、実践してみての実際の連続使用時間などを計測した記事を投稿しています。電池式を使用するうえでの手間暇加減の参考にもなります。是非ご覧ください。
④コストパフォーマンス
リチウム充電池は経年で容量が低下します。
スマホなどの充電機器でも2年程度で明らかに充電容量減ったな?という経験あるかと思います。
リチウム電池容量は使用環境次第で振れ幅ありますが2年後90〜70%に、4年後80〜60%になります。
充電式補聴器の使用時間が2割短くなれば1日持つか厳しいところでしょう。
以上を踏まえてコスパを算出します。
年間の電気代約130円(販売店による公称)。誤差なので計算に含みません。
購入時、充電器代などで+30,000円。
4年毎に充電池劣化による交換+30,000円。
私の使用体験を元にした実測です。
1日16時間使用、5日間で電池2個消費し1ヶ月で12個、年間144個。
6個入り1パックを年24パック消費します。
コスパを気にして運用する方ならば安価で購入することを前提として1パックあたり200円、年間の電池代(4800円)を簡潔に5000円/年とします。
充電式と電池式のランニングコスト比較グラフです。
コスパ結論:電池式>充電式
電池式は常に電池を購入し続けますが4年毎の充電池更新でコストを押し上げ、年数が経つほどに電池式のコスパが良くなるる格好です。
⑤精神論:安心感
ここにきて精神論。いえ、大事なことです。
スマホの場合は充電忘れた!残量に不安!それでもなんとかなるのはモバイルバッテリーや充電ステーション等コンビニなどに広く普及しており継ぎ足し充電で1日利用するための対応ができるからです。便利な世の中。
しかし補聴器は常時使用し続けるもの。スマホのように、日中に充電時間を設けさせていただいて休憩中ゆっくり充電する環境が整っていればいいんですけどね。
そうはいかないのが現実、今後便利な機能を持った機種が増え選択肢も豊富になるでしょう。「今は」電池式であることの安心感は大きなメリットです。
電池1パックをカバンに放り込み、電池低下のアナウンスが流れても5時間以内に交換すればよし。この安心感がストレスフリー。
電池式補聴器のメリットデメリット
改めて、電池式補聴器のメリットは長い使用時間と持ち運びに不便のない小さな予備電池で継続して使用し続けられることに集約されるでしょう。
電池式補聴器のデメリットは小さな電池、これに尽きます。
電池交換の手間、この1点で上記のおすすめなど関係ないほどの負担を感じる方もいるでしょう。老眼で見えにくかったり手元がおぼつかなかったり。
電池の扱いがおっくうで補聴器を使い続けること自体を敬遠してしまっては本末転倒。それならば迷いなく充電式を検討してみてください。
まとめ
本記事は電池式補聴器をおすすめする内容でしたが同時に、これらおすすめポイントがご自身に合わず、充電式の魅力に大いに惹かれている場合には是非現物を試すきっかけになればと思います。
補聴器の耐用年数は5年とされていますが私は過去、短くとも7年、10年以上使用した機種もあります。
長く付き合う補聴器ですから購入しようと考える際には必ず実機をお試しください。
補聴器販売店などで試用機会を提供しているところが多くありますよ。
記事を書いておいて何ですが、百聞は一見にしかず、です。
充電式・電池式いずれにしても現物を触り使ってみて初めて気づくこともあるでしょう。その時にはこの5選を参考に、あなたにとってふさわしい補聴器を選ぶことにつながれば幸いです。